東急ら、建替不要な「再生建築」 老朽化物件を新築同様に
東急は、再生建築研究所と4月に業務提携を締結。東急線沿線エリアの老朽化物件に対して、再生建築研究所の建築方法「再生建築」により、物件の再生を行なう。 【この記事に関する別の画像を見る】 提携により、東急線沿線エリアの空き家問題、緊急輸送道路沿いの耐震化問題、違法建築物件問題など老朽化物件が抱える様々な課題を再生事業で解決し、歴史的な建物やポテンシャルある既存の建物を活かしたサステナブルな街づくりに取り組くむとしている。 「再生建築」は老朽化物件の再生で課題となる建て替えコストや工期に対し、既存躯体を利用することで、新築と比較してコストを抑え、工期も短縮する建築方法。設備・内外装を新築同等に更新することも可能で、条件次第では建物に入居者がいる状態でも再生できる。 これまで両社は、検査済証未取得の4棟の違法建築群を60年ぶりに検査済証を取得した複合施設や、旧耐震の倉庫・事務所ビルの耐震補強を見直し、渋谷随一のインキュベーションオフィスにするなど、4件の協業実績がある。両社は今後も東急線沿線エリアにおける老朽化物件の再生事業を継続し、サステナブルな街づくりを目指す。 た。
事業地は、東京メトロ・都営地下鉄「白金高輪」駅徒歩3分。住宅、工場、事務所、生活利便施設が混在し、建築物の老朽化や安全な歩行空間の確保、河川の増水による浸水被害等の課題を抱えていた。13年に都市計画決定、15年に同再開発組合設立、18年に権利変換計画の認可を得た。
約1万1,087平方メートルの敷地に、鉄筋コンクリート造地上45階地下1階建ての東棟、19階建ての西棟、4階建ての低層棟の3棟を新設。“住・商・工・医”が調和した複合的なエリアを整備する。東・西棟には商業施設や子育て支援施設、広場等を設け、低層棟は、かねてから地域産業を支えてきた既存の工場や、医療施設等で構成する。
分譲マンションは東・西棟で展開。ゲストルームを4室用意するほか、フィットネスジムやシアタールーム、キッチンスタジオ、スカイラウンジ等、13種類・17施設の共用施設を用意した。
専有面積は23.94~147.10平方メートルで、間取りはスタジオタイプ~4LDKまで、200プラン超を用意。専有面積87平方メートル以上の住戸はプレミアム住戸とし、グレードの高い仕様とする。販売住戸は770戸。価格等は未定。
資料請求はこれまで、約4,500件。現居住地は、港区・中央区・品川区在住で約43%を占めた。30・40歳代、2・3人家族が中心で、職業は、会社員が約6割、その他会社経営・役員・個人事業主等が約2割。
8月24日にモデルルームをオープン。10月下旬より第1期販売を開始する予定。竣工は22年12月上旬、入居開始は23年3月下旬を見込む。